「よくある宣伝文句」が裁判で差し止められた——自分のサイトを263箇所直した記録
同業の訴訟を読んだのが、きっかけでした。理学療法士が運営する整体院の広告が争われた裁判で、差し止めの対象になったのは、特別に悪質な誇大広告ではありません。「整体と医学の両方から根本改善」——資格の権威と効果の約束が一文に揃った、どこの整体院サイトにもありそうな表示でした。
他人事ではないと思い、自分のサイトを点検しました。結果は、危うい表現が263箇所。タイトル、本文、画像に焼き込まれた文字、検索エンジン向けの見えないデータまで、全部直しました。この記事は、その時に何を基準に判断したかの記録です。
危うさの正体は、3つの「紛れ」
直しながら分かったのは、危うい表現は無数にあるようで、実は3つの型に整理できるということです。
| 紛れ | 問い | 関係する法律 |
|---|---|---|
| ① 医療との紛れ | 医療機関・医療行為と誤認させていないか | 医師法・医療広告ガイドライン |
| ② 免許業務との紛れ | マッサージ・整骨・鍼灸を無免許で名乗っていないか | あはき法・柔道整復師法 |
| ③ 効果の約束との紛れ | 結果を約束・断定していないか | 景品表示法・薬機法 |
とくに危ないのは、症状名・改善の約束・資格の権威が同じ文に揃った時です。「国家資格者が腰痛を根本から改善」のような一文は、3つの紛れを一度に踏みます。
実際に直した例
| 直す前 | 直した後 |
|---|---|
| 根本改善・治す | 再発しにくい体づくりを目指す |
| 原因を特定します・突き止めます | 要因を評価する・一緒に探る |
| 当院・来院・患者様 | 当サロン・来店・お客様 |
| 最適な施術 | その方に合った施術 |
| ご安心ください | 削除して、何をどう進めるかの説明に置き換え |
逆に、堂々と残していいものもあります。資格や経歴の事実、実測の数字、症状名そのもの、「治らない理由」のような情報提供の見出し。萎縮して全部消す必要はありません。線を知って、線の内側で言い切るのがコツです。
文字列検索では、すり抜ける
点検して痛感したのは、「根本改善」を検索するだけでは「根本から改善」「根本解決」を拾えないことです。画像の中の文字は検索に一切かかりません。サムネイル、バナー、チラシの入稿データ。見落としやすい場所ほど、直し忘れが残ります。
私はこの経験をルール化して、自分のサイトを定期的に機械チェックできるようにしました。その仕組みを、無料ツールとして公開しています。
自分のサイトを、3分でセルフチェックできます
この記事の判定基準をそのままエンジンにした無料ツールです。URLを入れると、3つの紛れごとに検出数が出ます。ご自身で直せる方は、そのまま直していただければ十分です。
広告表現セルフチェックを使う(無料)